睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まってしまう無呼吸状態や、呼吸が浅くなる低呼吸状態を繰り返す病気です。
空気の通り道を肥満などが原因で塞いでしまう閉塞性睡眠時無呼吸症候群と、脳などに原因のある中枢性睡眠時無呼吸症候群がありますが、閉塞性睡眠時無呼吸症候群が圧倒的に頻度は高いです。
睡眠時無呼吸症候群の症状としては、いびき、寝ている間に長いこと息をしていない(一緒に寝ている方が気づかれることが多いです)、日中の眠気、起床時の熟睡感のなさ、倦怠感、だるさがとれない、などの症状が多いです。また高血圧の方で、なかなか血圧が下がらない方などに、睡眠時無呼吸症候群が潜んでいることもよくみられます。
寝ている間に十分酸素が体にいきわたらない状態ですので、循環器系への負担が重く、高血圧、心不全、虚血性心疾患、脳血管疾患と関連があります。
診断のためには、寝ている時に呼吸が止まっていることを証明する必要があります。
自宅で簡単にできる簡易睡眠時無呼吸症候群検査として、指先に酸素飽和度のセンサー、鼻に呼吸のセンサーをつける検査方法があります。この検査で、無呼吸、低呼吸の1時間あたりの回数が40回以上であれば、重度の睡眠時無呼吸症候群として、のちに述べる持続陽圧呼吸などの治療の適応があります。
回数が微妙な際には、ポリソムノグラフィーという精密な検査方法があります。一般的には一晩入院して行うことが多いですが、ご自宅で行うことも可能です。
治療としては、肥満のある方は減量、禁酒、減酒、扁桃が大きい方は扁桃摘出などの手術、マウスピースなどの治療方法もありますが、一般的にはCPAPといわれる、持続陽圧呼吸療法を行うことが多いです。これは、装置から鼻マスクを通じ、持続的に一定の圧力をかけ、気道がふさがらないようにする治療方法です。一見違和感が強いのでは、と思われるかもしれませんが、治療を開始したら、よく寝られるようになった、日中の眠気がなくなったと言われる患者さんも多数いらっしゃいます。

気になる症状がある方は、一度検査されてみることをお勧めします。

(参考までにセルフチェック表でチェックしてみてください)